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龍野城下、歴史残る町並みに古民家ホテル2号棟 3月開業、長期滞在にも対応

2022/02/25 05:30

 兵庫県たつの市・龍野城下の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に3月、古民家ホテル「クラス」の2号棟が開業する。昨年3月にオープンした1号棟は新型コロナウイルス禍が長引く中でも堅調に集客しているといい、3号棟の整備に向けた「エリア再生ファンド」への小口投資も募っている。(直江 純)

 ホテルはNPO法人「ひと・まち・あーと」のグループ会社「マスマス」が運営。町並み全体を宿に見立て、点在する空き家を次々に客室として再生させるのが目標という。いずれも食事なしの素泊まりとし、地区内のビストロやカフェなどを紹介して回遊性を高める。

 城下南部にある1号棟は最大8人まで滞在できる高級路線だったが、近くの2号棟は小ぶりな民家を改装中。定員3人で実用的な宿にする。長期滞在も想定し、自炊用のキッチンや洗濯機なども備える。

 一方、老舗書店やカフェが並ぶ上川原エリアの3号棟は約180平方メートルの平屋で、城跡にも近い。大正期以前の建築とみられ、長年空き家だったため壁が傾くなど傷みが激しい。景観上重要な「特定物件」でもあり、4400万円を投じて改修する計画を立てた。主要部は車いすのまま利用できるユニバーサル仕様とし、要介護の高齢者や障害がある人にも使いやすい宿を目指す。

 マスマス社のアーデン歩(あゆみ)社長(41)は「バリアフリーの古民家ホテルは全国でもまだ珍しい。龍野の魅力を発信できる手段にしたい」と意気込んでいる。

 募集中の投資は、1口5万円からのクラウドファンディング。原本保証はないが、5年満期時の利子還元を目指すほか、城下町で使える優待チケットなどを贈る。

 ひと・まち・あーとTEL0791・63・5001

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