不要な物が誰かにとって必要な物となる-。物々交換ができる常設場「ぐるり」が、兵庫県宍粟市一宮町上岸田の宿泊施設「ゲストハウス繁盛校」に開設された。ぐるりの発起人が、同施設を運営するNPO法人の活動に共感し、地域活性化につながればと設けた。服や食器、おもちゃといった品々がそろっている。(村上晃宏)
ぐるりのルールは、1点を持って来れば1点を持ち帰ることができる。持って来る物は壊れていたり傷んでいたりせず、他人にプレゼントできる状態がよい。
発起人は、同県加古川市のアパレル会社「ワンピース」の久本和明社長(39)=同県芦屋市。助け合いの精神で物々交換する海外の映像などを見て「自分には不要だけど、誰かが必要としている物を共有できる社会を広げたい」と考案した。
2021年、交流サイト「フェイスブック」で物々交換のグループをつくり、22年には加古川市に常設場を開設した。各地で物々交換のイベントも開く。
久本さんは今年3月、廃校した小学校の校舎を活用したゲストハウス繁盛校を訪問。地元住民でつくるNPO法人「モア繁盛」が、地域の交流拠点づくりに励む姿に共感し、話を持ちかけて4月下旬に「ぐるり」をオープンした。常設場は3カ所目という。
会場は3階の元理科室にあり、管理は同法人が担う。男性や女性、子ども用の衣類のほか、かばんや本、ぬいぐるみなどもある。引っ越しなどで処分しようと思った物を持って来る人が多いという。
久本さんは「物の大切さや人とのつながりを感じ、相手を思いやる社会への一歩となる場所になれば」と期待を込める。
午前9時~午後5時。入場無料。火、水曜は休み。事前の予約などは不要。同法人TEL0790・71・0456