兵庫県赤穂市教育委員会は国史跡「赤穂城跡」(同市上仮屋)の防備の要、二之丸の玄関口に当たる二之丸門の位置を推定できたと発表した。本丸をぐるりと囲む二之丸城壁のうち、明治後期に撤去された北城壁跡を発掘調査し、二之丸門につながっていたとみられる城跡の石垣が見つかった。城壁の根石や石垣の形、構造も確認した。13日午後1時半から現地説明会を開く。(坂本 勝)
1971年の史跡指定後、1661年の築城時の姿を目指し、市教委は復元整備を進めている。藩主御殿のあった本丸は2001年におおむね完了。現在は本丸を取り囲む二之丸が整備の中心となった。
北城壁は1892年の千種川水害の復旧資材にするため、93~94年に撤去された。復元整備に向け、市教委は昨年9月から2調査区の計390平方メートルを発掘。その結果、横矢を掛けて敵を討つため、石垣から出っ張って造られた横矢升形の背後に栗石の列を確認した。土留めの腰石垣を築く際、基礎部分を覆い固めた可能性がある。古い絵図には門番のいる番所が近くに描かれており、腰石垣で土の流出を防ぎ、番所の敷地を確保したとみられる。
二之丸門周辺では築城時の地面より下に城壁の根石が残っていた。城壁は東側の横矢升形から西へ延びた後、道路部分から本丸門に向かって折れを繰り返していたという。
市教委は2022年度も追加調査し、二之丸北城壁の全容把握を目指す方針。
説明会は1時間程度で予約不要。小雨決行。赤穂城発掘調査事務所の北側。文化財課TEL0791・43・6962