緑豊かな山並みが広がり、のどかな風景が心を和ませる。たつの市新宮町千本地区。江戸期、播磨から岡山・美作を経て鳥取へと続く旧因幡・出雲街道の宿場町として栄えた。
駅から西へ300メートルほど歩くと、長屋門を構えた風情あふれる邸宅が目に入る。参勤交代の際、鳥取、松江、津山藩などの大名らが宿泊した本陣跡「千本内海家住宅」。測量家、伊能忠敬や明治・大正期の首相、西園寺公望も宿泊したという。現存する主屋と長屋門は江戸後期の建築で、明治中期の土蔵とともに国登録有形文化財に登録されている。
主屋では18代当主の内海毅さん(78)が2007年から料理店「史跡 千本本陣」を営む。週4日、手打ちそばのほか、米など地元の食材を使った田舎料理を提供している。
墨色の梁(はり)が重厚な趣を感じさせる店内。「どちらから来られましたか」。内海さんは食事を楽しむ60~70代の女性客らに語りかける。交流サイト(SNS)では「歴史を感じる建物でそばを食べ、ご主人の話を聞くのが楽しい」などと口コミが広がり、赤穂や姫路のほか、神戸など遠方から訪れる客も多い。























