知事選「あなたの?に答えます」
【質問】最近の兵庫県知事選挙の立候補者を見ると、無所属の人ばかりです。複数の政党から推薦をもらう人もいますが、首長選挙では、国政選挙のような政党の公認候補があまりいない印象です。なぜなのでしょうか。
各種の選挙に立候補する人は、選挙管理委員会への届け出時に所属党派を記入しますが、党員でも無所属を選べます。無所属での立候補は特定の政党色がつかず、幅広い層からの支援を得やすい側面があります。
今回の兵庫県知事選に立候補を予定する4人も、全員が無所属です。ただ、前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)は自民と維新、元県議の金田峰生氏(55)は共産の推薦を受けます。
国会で与野党に分かれて対立している政党が、同じ候補者を推薦して一緒に応援することも珍しくありません。地域の課題解決には、国政ほど政党の違いが表れないためです。
今回の県知事選では、立憲民主党兵庫県連が前副知事の金沢和夫氏(64)に、推薦ではなく、政党色がさらに薄まる「支援」を打ち出しました。政党色を出したくない本人側の意向も踏まえたとみられます。
一方、斎藤氏に推薦を出した日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)に、3月末時点で公認候補となる可能性を尋ねると、「日本の首長選で『公認』で選挙に出ているのは、僕と吉村さん(吉村洋文・大阪府知事)くらい。(当選しても)維新一色では議会運営ができない。勢力争いじゃありませんから」と返されました。
確かに、全国の知事で無所属以外は、地域政党・大阪維新の会の吉村知事のみ(2020年末時点)。無所属での立候補には、当選後の議会運営を意識した戦略も大きく影響しているようです。
(石沢菜々子)
2021/6/10