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知事選「あなたの?に答えます」

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阪神タイガースの公式戦で始球式に臨んだ井戸敏三知事=2005年5月、阪神甲子園球場
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阪神タイガースの公式戦で始球式に臨んだ井戸敏三知事=2005年5月、阪神甲子園球場

 【質問】7月末の任期満了をもって退任する兵庫県の井戸敏三知事(75)は2001年の初当選以降、5期20年にわたり県政のかじ取りを続け、現職の都道府県知事では石川県知事に次いで長いと聞きました。これほど長く知事が交代しなかったのはなぜですか。

 井戸知事は阪神・淡路大震災後の1996年、自治省(現総務省)の官僚から兵庫県副知事に就任しました。01年に当時の貝原俊民知事を引き継ぐ形で立候補、初当選しています。

 その後も当選を重ね、17年の前回選では、県政史上最多となる5選を果たしました。5期目のスタートと同時に歴代知事の在任期間の記録を塗り替えました。

 井戸知事はこの間、県民感情を逆なでする失言で時折、批判を浴びましたが、目立った失政はなく、震災復興をリードし、手堅い行政手腕に定評があります。

 政党の思惑も長期政権を招く要因になりました。県議会の自民、公明、旧民主などは知事への影響力を高めて政策実現を図ろうと、国政の与野党関係なく相乗りで支援し、選挙態勢を盤石にしました。「知事与党」と呼ばれるゆえんです。

 実は17年の知事選前に、一部で後継を立てる動きがあったのですが、井戸知事が5選に意欲を見せると、業界団体などがこぞって立候補を求め、多選批判を吹き飛ばしました。

 盤石な井戸県政も新型コロナウイルス禍で陰りが見えています。独自施策をアピールする知事同士が比較され、発信力の弱さが際立ちました。対応力が試される中、トップダウンが浸透した県庁では目立ったアイデアが生まれず、図らずも組織の硬直化があぶり出された格好になりました。

 庁内でも新たなリーダー待望論が渦巻く中、知事選を迎えることになりました。

(知事選担当デスク・井関 徹)

2021/7/1

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