知事選「あなたの?に答えます」
【質問】兵庫県知事選に立候補を表明している斎藤元彦氏(43)は、自民党に加え、日本維新の会から推薦を受けています。3月まで、吉村洋文大阪府知事(45)の部下として働いていたこともあり、当選したら大阪の言いなりになりませんか。
神戸市須磨区出身の斎藤氏は総務省から三重県庁や新潟県佐渡市役所、宮城県庁に出向後、2018年から3年間、大阪府財政課長を務めました。
3月の立候補表明会見では大阪との連携を訴え、吉村知事の情報発信力を高く評価。6月の公約発表の際も、吉村知事を念頭に「首長同士の信頼関係を構築できるのは私しかいない」と関係の近さをアピールしています。維新代表の松井一郎大阪市長(57)は斎藤氏を「彼は維新そのものだ」と評しました。自民が分裂したこともあり、「維新の候補」とみられることも多くあります。
これに対し、斎藤氏は「ベースは自民。行財政改革で合意した維新に推薦いただいている形だ」と説明。大阪府とは「対等な関係で協力し合うことが大事。公務員時代の上司、部下の関係にはならない」と強調します。吉村知事も「兵庫県と大阪府の知事に優劣はない。完全に横の関係だ」と語っています。
現に、斎藤氏の陣営は自民が仕切り、大半の活動を自民県議らが支えています。ただ、維新の党本部推薦を受けて当選すれば、県内の首長として初となります。県組織「兵庫維新の会」の推薦で当選した市長は4人(伊丹、淡路、三田、丹波篠山)います。
県議会(定数86)で維新は8人と小勢力で、斎藤氏が当選しても維新に軸足を置いた県政運営は難しいでしょう。定数88(欠員1)のうち維新会派が過半数の50人を占める大阪府議会とは違い、兵庫では基盤勢力にはなりません。
ですが、政策協定を結んだ維新は「知事与党」の一翼として、兵庫県議会・県政での存在感を増すことになりそうです。
(斎藤氏担当・大島光貴)
2021/6/15