知事選「あなたの?に答えます」
【質問】県知事ってどこか遠い存在です。候補者の違いもよく分からないし、自分が1票を投じたところで何か変わると思えません。せっかくの休日に投票に行くのもおっくうだし、家でゴロゴロしたいのですが、投票って行かないといけないんでしょうか。
戦後19回行われた兵庫県知事選のうち、参院選との同日選などを除く14回は投票率が30~40%台と長く低迷しています。
関西学院大の森脇俊雅名誉教授(政治学)は「衆院選や身近な市長・町長選と比べ、知事選の投票率が低いのは全国的な傾向」とし、複数政党が特定候補を相乗りで応援する構図が続いた兵庫県知事選について「政党間の激しい選挙戦がなかったことも低調の理由では」と指摘します。
投票に行く意義は何でしょうか。道路や公園の整備から教育や医療の制度まで、暮らしに関わるさまざまな問題で、私たちの意見を反映してくれる代表者を決めるのが選挙です。県選挙管理委員会は「よりよい社会をつくるためには、よい代表者を選ぶことが必要で、そのためにも常日頃から政治に関心を持っておくことが大切」と呼び掛け、森脇さんも「無関心や他人任せの民主主義は駄目」と強調します。
特に人口が少ない10、20代は投票率が低いと、政治家はますますその声に耳を傾けなくなるかもしれません。県選管は今回の知事選でユーチューブに広告を流すなどしてPR。ショッピングセンターの期日前投票所も県内で20カ所に増えています。
20年ぶりに新しい県知事が誕生する節目の選挙。森脇さんは「コロナ禍におけるリーダーは危機管理能力と説明能力が求められている。ネットで公開されている候補者討論会なども判断材料にしては」と話しています。(知事選取材班・長谷部崇)
2021/7/13