単身の高齢者らの住まいとして頼りになる公営住宅の役割や機能が曲がり角に立っている。三木市では今後、1人暮らしのお年寄りの増加が予想される。市営住宅は単身者用の部屋がより求められ、立地や設備もばらついているため需要と供給がかみ合わず、市全体の入居率は80%前後にとどまる。市の財政状況が厳しい中、セーフティーネット住宅として機能の維持や効率的な運営が問われている。(小西隆久)
同市の市営住宅は現在、8団地で計434戸。最も古いのは、1973(昭和48)年に建てられた加佐団地(18戸、三木市加佐)で、最新は2010年に旧団地の10棟を取り壊して新築された朝日ケ丘中団地高層(72戸、同市別所町)だ。中堅所得者向けの特定公共賃貸住宅も11戸ある。
8団地434戸のうち、65歳以上の1人暮らし高齢者はおよそ2割に当たる119戸(2022年度末)。これからも少子高齢化と人口減少が進み、単身高齢者はさらに増える傾向にある。