能登半島地震の被災地でアスベスト飛散の危険性が疑われる現場の写真を見せながら説明する「災害とアスベスト 阪神淡路30年プロジェクト」のメンバーら=神戸市役所
能登半島地震の被災地でアスベスト飛散の危険性が疑われる現場の写真を見せながら説明する「災害とアスベスト 阪神淡路30年プロジェクト」のメンバーら=神戸市役所

 アスベスト(石綿)被害の研究者らでつくる「災害とアスベスト 阪神淡路30年プロジェクト」は7月1日から、全国の災害ボランティア経験者にアンケートを実施する。過去の災害現場での体験や意識を調べ、今後のアスベスト対策に活用する。

 同プロジェクトは、来年で阪神・淡路大震災から30年となるのを前に、災害とアスベストに関する調査研究を進めようと、アスベスト問題に詳しい伊藤明子弁護士らの呼びかけで今年1月から活動している。

 同プロジェクトによると、阪神・淡路の復旧工事では大量の粉じんが発生した。近年の地震や大雨などの被災地では、ボランティアが壁材などの撤去作業に従事することも増え、アスベストにさらされる可能性があるという。

 アンケートは「防じんマスクを持参していたか」「現場で粉じんがひどいと感じたか」など計13問を設定している。全国のボランティア団体などに協力を依頼する予定で、回答を集計し、来年1月に開くシンポジウムで詳細を報告する。

 アンケートの募集期間は10月31日まで。紙面とオンラインで受け付ける。事務局のNPO法人ひょうご労働安全衛生センターTEL078・382・2118(杉山雅崇)