臼井真さんの指揮で「しあわせ運べるように」を合唱する早稲田大阪高校ウィンドバンド=8日午前、大阪市此花区の夢洲
臼井真さんの指揮で「しあわせ運べるように」を合唱する早稲田大阪高校ウィンドバンド=8日午前、大阪市此花区の夢洲

 災害や紛争に直面した人たちを支援する赤十字活動を発信する式典が8日、大阪市此花区の大阪・関西万博会場で開かれ、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた歌「しあわせ運べるように」が合唱された。作詞作曲した神戸親和大学教育学部教授の臼井真さんが指揮し、被災の悲しみや命の力強さを伝える歌声が会場に響いた。

 震災当時に神戸市の小学校の音楽教諭だった臼井さんが、被災した古里を思い作曲した。復興を願う象徴的な曲として国内外の被災地で歌い継がれている。

 式典は8日の「世界赤十字デー」を記念し、大阪府の早稲田大阪高校ウィンドバンドの約80人が7曲を披露。うち1曲で臼井さんが指揮し、生徒らが「地震にも負けない」「生まれ変わるふるさとのまちに」と情感を込めて歌うと、会場から拍手が起こった。

 被災体験も語った臼井さんは「世界の人が集まる万博で披露でき、涙が出そうなぐらい感動した。震災で学んだ命の大切さが伝わってほしい」と願った。

 万博会場にはパビリオン「国際赤十字・赤新月運動館」が出展。式典では藤井比早之外務副大臣(衆院兵庫4区)や赤十字・赤新月常置委員会のメルセデス・バベ委員長があいさつした。(岩崎昂志)