前総務部長への懲戒処分について発表する兵庫県の波多野武志職員局長(中央)ら=27日午後、神戸市中央区(撮影・小林良多)
前総務部長への懲戒処分について発表する兵庫県の波多野武志職員局長(中央)ら=27日午後、神戸市中央区(撮影・小林良多)

 兵庫県の斎藤元彦知事に対する告発文書問題を巡り、告発者とされる元西播磨県民局長(故人)に関する県保有情報が流出し、インターネット上で拡散されている問題で、県は27日、交流サイト(SNS)の運営企業2社に、拡散の起点となった投稿4件の削除を要請した。情報流通プラットフォーム対処法に基づく対応という。

 流出したのは、元県民局長の公用パソコン内にあったとされる私的情報。昨年11月末以降、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏らが、関連する画像などを動画投稿サイト「ユーチューブ」やX(旧ツイッター)で公開した。

 県の第三者調査委員会は今月13日、この私的情報は県保有情報と同一で、県職員が漏えいさせた可能性が高いとする報告書を公表した。これを受け、県は対応を検討。立花氏らの投稿について「秘密が漏えいし、県が円滑に公務をする権利が侵害された」として、ユーチューブとXの運営企業に削除を申請した。

 県人事課は会見で「これ以上の発信、拡散は控えてほしい」と初めて明確に呼びかけた。斎藤知事は当初、削除要請について「法的なハードルが高く、難しい面がある」としていた。(那谷享平)