クボタ旧神崎工場の跡地に立つ同社阪神事務所。周囲には石綿被害が広がっている=尼崎市浜
クボタ旧神崎工場の跡地に立つ同社阪神事務所。周囲には石綿被害が広がっている=尼崎市浜

 尼崎市のクボタ旧神崎工場のアスベスト(石綿)禍で、中皮腫などを発症し、同社に救済金の支払いを請求した周辺住民434人(うち410人死亡)の居住歴が石綿セメント管を製造した1954(昭和29)年から75年の22年間に重なることが、患者支援団体の調べで分かった。この期間の大半で毒性の強い青石綿(クロシドライト)が使用されていた。深刻な周辺被害が発覚したクボタショックから今月末で20年。青石綿の飛散状況の把握が全容解明の焦点になってきた。