先の大戦で日本人の戦没者は約310万人、兵庫県は約11万人とされ、多大な犠牲をもたらした。県の資料によると、県に本籍がある軍人・軍属の戦没者は陸軍と海軍を合わせると9万7386人。戦没地は東南アジアや太平洋の島々など南方が半数以上を占め、中国や旧ソ連など北方と、沖縄など国内がそれぞれ約2割だった。一方、米軍による空襲で、県内では都市部だけで1万人以上が死亡したとされるが、民間人の正確な犠牲者数は戦後80年がたつ今も分かっていない。
■県、現在も算出法把握せず
県内の軍人・軍属の戦没者の内訳は、陸軍が7万7706人、海軍が1万9680人。そのうち本籍が市部だったのは5万9420人、郡部は3万7966人だった(市郡は1996年時点)。
戦没者数は、県が70年度に創刊した冊子「兵庫の福祉」に掲載され、96年発行の記念誌「共生と平和の世紀をめざして-兵庫の援護50年」まで変わっていない。ただ、どのように算出したか、現在は県も把握していない。