日本とブラジルの関係性について語る林禎二氏=神戸市中央区東川崎町1
日本とブラジルの関係性について語る林禎二氏=神戸市中央区東川崎町1

 日本とブラジルの外交関係の樹立から今年で130周年となったのに合わせて、前駐ブラジル特命全権大使の林禎二氏(60)が在職中に神戸新聞社の取材に応じた。文化、経済的につながりが深い両国の現状について語り、世界最大の日系人コミュニティーがある同国には、日本の飛躍のヒントがあると示唆。「日本にとって遠くて近い国。より強固な関係性に発展していければ」と話した。(門田晋一)

■佳子さま、神戸で移民の歴史学ぶ

 1895年に修好通商航海条約を調印した両国。兵庫県との結び付きも古い。1908年には同国への移住者が神戸港を出港し、28年には「国立移民収容所」(現海外移住と文化の交流センター)が開設された。神戸からはブラジルをはじめとした中南米に約25万人を送り出した。また県はパラナ州と友好提携を、県内5市が現地の都市と友好・姉妹提携を結んでいる。

 秋篠宮家の次女佳子さまは6月に同国で開かれた記念式典のご出席に先立ち、同センターで移民の歴史を学んだ。その後11日間の日程で8都市を巡り、日系人らと交流を深め、林氏も同行した。