肛門に近い場所にできる局所進行直腸がんは再発リスクが高い上、手術で人工肛門や排便機能障害になる恐れがある。こうした中、「切らずに根治」を目指して、神戸大病院(神戸市中央区)など国内の35医療機関で、手術前に放射線療法と抗がん剤治療を順次行う「TNT治療」の臨床試験が始まっている。臓器を温存し、QOL(生活の質)を維持できる可能性があるという。(広畑千春)
■神大病院など「TNT治療」臨床試験 生活の質維持に期待
国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」によると、2021年の直腸がんの新規罹患数は約5万2千人。また24年調査では、年間約1万6千人が死亡している。
罹患率は男性が女性の約1・8倍。患者は男女を問わずに40代以降で増加するが、TNT治療の臨床試験に兵庫県内で唯一参加している神戸大病院食道胃腸外科の松田武医師(同大大学院医学研究科外科学講座特命准教授)は「最近では、20~30代の患者もしばしば見られるようになっている」と説明する。
























