清和源氏発祥の地と伝わる川西市の宗教法人多田神社が、神戸地裁に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産状態となったことが9日、分かった。国史跡の境内に融資の担保が設定されるなど、金銭トラブルが表面化していた。帝国データバンク神戸支店(神戸市中央区)によると、神社の倒産は国内3件目、近畿では初めて。神社の運営はこれまで通り続ける。
民事再生法を申請する場合、債権者と事前協議して経営再建の構図を描き、スポンサーとなる企業などが資金を支援して再生を目指すことが多い。今回は再建のめどが立っていないとみられ、同支店は「法の下で解決を目指すため、裁判所に申請したのではないか」としている。負債総額は不明。
登記簿などによると、2023年ごろから境内の土地に対し、総額約16億円を上限とする根抵当権が設定された。当時の宮司が個人的な借り入れの担保にしたとみられる。
24年に宮司が死去すると担保だった境内の土地は差し押さえられ、神戸地裁尼崎支部が競売開始を決めた。神社側は争う姿勢を見せていたが、債権者との交渉が長期化していた。
同神社は平安時代の970年の創建とされる。清和源氏の源満仲らをまつり、境内は国史跡となっている。総代の一人は「最大限の努力をしてきたが、民事再生法の適用しかないとの結論に至った」とし、「多田神社は地元だけでなく、歴史的にも日本の宝。できるだけ良い方向に行くようにしたい」と話した。(荻野俊太郎、貝原加奈)























