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地面をはじき、疾走する陸上男子100メートルの多田修平。東京五輪では決勝進出を目標に掲げる=6月25日、大阪市のヤンマースタジアム長居
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地面をはじき、疾走する陸上男子100メートルの多田修平。東京五輪では決勝進出を目標に掲げる=6月25日、大阪市のヤンマースタジアム長居

 東京五輪で「世界最速」を決める陸上男子100メートルが、31日に始まる。涙の日本選手権初優勝から1カ月、初出場となる多田修平(住友電工、関西学院大学出身)の代名詞は、ロケットスタートだ。試行錯誤してたどり着いたのが「飛行機が離陸するイメージ」。独特な走法でライバルに先行し、花形種目で日本人89年ぶりの決勝進出を狙う。

 6月25日の日本選手権。低い姿勢から勢いよくスタートした多田は、最後まで先頭を譲らなかった。中盤まで顔を上げず、深い前傾姿勢で走るスタイルは「自分の感覚を大事に」と意識した結果、生み出された。

 中学時代から低い姿勢が「当たり前」だったという。大学3年の2017年、米国遠征で元世界記録保持者のアサファ・パウエル(ジャマイカ)らと練習し、上半身を地面と平行にした姿勢で出る技術を学んで飛躍の糸口をつかんだ。

 この年、大会でリオデジャネイロ五輪銀メダルのジャスティン・ガトリン(米国)に一時先行し「誰だか分からないけど、素晴らしいスタートを切った選手がいた」と驚かせた。さらに、追い風参考ながら9秒94をマークし、世界選手権代表にも選ばれるなど、その名は一気に知れ渡った。

 ただ、鮮やかな飛び出しは体力の消耗が大きく、後半の失速を招いていた。課題を改善するため「一歩ずつが力強いスタートにしよう」とフォームを変えたところ、脚が後ろに流れ、トップスピードに乗れなくなった。3年ほど低迷し、引き立て役になるばかり。「考え込み、試合に出るのも嫌だった時期もあった」と打ち明ける。

 悩んだ末に「あきらめず、自分を、周りを信じよう」と、自分に合ったスタートを取り戻すことを決意した。前傾姿勢を長く保ち、体が浮かないように前に進む。普通の人なら転んでしまうが、トレーニングで必要な筋力をつけ、硬い足首で地面をはじくことで接地時間が短く、前への推進力を生む走りを実現。教科書通りではないが、この方が風の抵抗を受けにくい。

 スタートが安定したことで、後半に余力を残せるようになった。独自のスタイルを確立して迎える五輪は「リラックスし、楽しんで走りたい」と力みはない。世界を驚かせる準備はできている。(金山成美)

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