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最後の演技を終え、馬淵崇英コーチ(右)に頭をなでられる玉井陸斗=7日、東京アクアティクスセンター(撮影・高部洋祐)
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最後の演技を終え、馬淵崇英コーチ(右)に頭をなでられる玉井陸斗=7日、東京アクアティクスセンター(撮影・高部洋祐)

 中学最後の夏は、全力ダイブで完全燃焼した。東京五輪の日本代表男子最年少、14歳の玉井陸斗(JSS宝塚)は男子高飛び込みで7位。共に練習する寺内健(41)=ミキハウス、兵庫県宝塚市出身=が5位に入ったシドニー大会以来、日本勢で21年ぶりの入賞を果たし「今できる最大の演技ができた」と笑った。

 天才少年は大一番で修正力の高さを見せた。2本目の「後ろ宙返り3回半えび型(207B)」。予選では回転不足で失敗した高難度の技だが「思い切り飛ぶ」。腹筋の割れた157センチの体をたたみ、高速回転。入水時にはしぶきを抑え、点数を伸ばした。

 以後も入賞圏内を保ち、最後の6本目を終えるとようやく笑顔を見せた。「すごい人たちがたくさんいる中で、決勝までいけて自信になった」とうなずいた。

 本場中国出身の馬淵崇英(まぶち・すうえい)コーチ(57)は「よく集中して演技をまとめた。決勝では落ち着くことすら難しいのに」とその精神力を称賛。「パリ五輪ではメダルを取れると本人も自信がついたのでは」と話した。

 「玉ちゃん」のニックネームで愛される、宝塚市立高司(たかつかさ)中の3年生。予選前には尊敬する先輩で、ゲーム仲間でもある寺内から「自分のやってきたことを信じて、みんなに見せつけてやれ」と背中を押された。

 決勝の7日は、寺内の41歳の誕生日。玉井は「夢ではあったけれど、メダルを取って掛けてあげたいと思っていた」と明かした。

 安らぎの場を与えてくれる家族の存在も大きかった。父の隆司さん(47)は「おめでとう。決勝まで連れて行ってくれて、7位入賞とすごい結果まで見せてくれてうれしい」と語った。

 「日本飛び込み界初のメダル」という夢の続きは、2024年のパリ五輪へ。若きエースは「3年間で(メダリストたちに)近づけるように頑張る」と力を込めた。(藤村有希子)

【五輪特集ページ】東京五輪2020

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