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柔道男子100キロ超級2回戦で、ジョージアのチコイゼ(右)を攻める正木健人=29日午後、日本武道館(撮影・吉田敦史)
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柔道男子100キロ超級2回戦で、ジョージアのチコイゼ(右)を攻める正木健人=29日午後、日本武道館(撮影・吉田敦史)

 「ようここまで頑張ってきた」。29日の東京パラリンピック柔道(視覚障害)男子100キロ超級の初戦で敗れ、3大会連続のメダルを逃した正木健人(34)。故郷の兵庫県南あわじ市で見届けた母優子さん(63)は、画面越しのわが子をねぎらった。「柔道で何度もいい思いをさせてくれて、感謝しかない」

 生まれつきの弱視。兄の勇人さん(37)は野球で社会人まで活躍したが、まぶしい光が苦手の次男に、屋外競技は難しかった。食べることは大好き。180センチ、100キロとひときわ大きな中学1年生が柔道と出合い、道が開けた。

 南淡中3年で全国2位、育英高で全国3位。優子さんは子育ての一方、義父母の介護に追われていた。2000年には夫寛治さんが脳梗塞で倒れ、15年に亡くなるまで闘病生活を献身的に支えた。兄弟の試合を見ることが、「つらいことを忘れられる時間」だった。

 天理大に進んだ正木は、徳島県立盲学校で視覚障害者柔道に転じ、パラリンピックの金メダルと銅メダルを取った。

 金メダル奪還を目指した東京大会は、一度も勝てなかった。正木は「勝てると思い込んでいたはず。ショックを受けてると思う」と実家の母を思いやった。優子さんは「ショックなんか受けてないのに」と言った。「いろんな人に支えられて、幸せな子。そして、私も幸せな親です」

 正木の挑戦は続く。「結果は申し訳ない。パリまでの3年間、これからの行動で恩返ししていきたい」。その言葉も伝えると、優子さんは「夫と一緒に見守るだけ」と、少し涙声で言った。(山本哲志)

【特集ページ】東京パラリンピック2020

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