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通算2千安打を達成し、同期入団の中村剛也(左)から花束を受け取る西武・栗山巧=楽天生命パーク宮城(撮影・堀内 翔)
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通算2千安打を達成し、同期入団の中村剛也(左)から花束を受け取る西武・栗山巧=楽天生命パーク宮城(撮影・堀内 翔)
通算2千安打を達成し、記念のボードを掲げる西武・栗山巧=楽天生命パーク宮城(撮影・堀内 翔)
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通算2千安打を達成し、記念のボードを掲げる西武・栗山巧=楽天生命パーク宮城(撮影・堀内 翔)

 西武一筋20年、生え抜き初となる2千安打達成の瞬間は、実に栗山巧らしさが詰まっていた。大台まであと「1」と迫った4日の楽天戦、九回の第4打席。外角球に逆らわずにバットを合わせ、得意の流し打ちで左前打にすると、球場全体が温かい拍手に包まれた。

 西武主将の源田壮亮から記念パネルを手渡され、スタンド全体に掲げた。続いて、いずれも元西武で、楽天投手の牧田和久とバッテリーを組んでいた捕手炭谷銀仁朗から、花束をもらって感謝。さらに、一塁上では同期入団の中村剛也から、二つ目の花束を贈られ、控えめに笑顔を見せた。

 試合は終盤、西武が5点を追い、勝負はまだわからない展開。だが、この時だけは球場の時間が止まったようだった。チーム、そして球界に貢献し、野球ファンに愛された栗山だからこそ許された、栗山だけのための1分40秒余りだった。

 スタンドでは、栗山の快挙を祝福し、ファンから「善敗己由」と刻まれた横断幕が掲げられていた。聞き慣れない言葉だったが、本人の公式サイトによると、小学校の頃、元西鉄の鉄腕稲尾和久さんからもらったサインに記されていたそうだ。読み方は「ぜんぱいおのれによる」。良いも悪いも自分次第、誰のせいでもないとの意味だそうで、「この言葉に出会えて本当に良かった。心の支えになっている」という。

 栗山の軌跡をたどると、まさにこの言葉を信条とするように、どんな状況でも自らに厳しく、最善を尽くしてきたことがよくわかる。

 育英高校(神戸市長田区)卒業後、ドラフト4巡目で2002年にプロ入りし、2軍で実績を積み、04年の1軍最終戦で初安打。7年目の08年に最多安打のタイトルを獲得し、日本一に大きく貢献した。その後、主将を務めた12年からの5年間では、3年連続Bクラスも味わう中、主力としてチームを支えた。

 17、18年は若手野手が台頭して出番が減ったが、少ないチャンスを生かして持ち前の勝負強さを発揮。18年は終盤に活躍して10年ぶりの優勝を果たし、歓喜の輪に加わった。この間、チームの主力がFAなどで相次いで国内外の他球団に流出。それでも常に自らの役割を全うし続け、たどりついた金字塔だった。

 神戸市西区出身の栗山は今夏、神戸新聞の音声番組「めっちゃ兵庫」に向けたメッセージで、地元への強い愛着を語った上で、「タイガースだけじゃなくてライオンズにも注目してもらって、皆さんに喜んでもらえる活躍をして、2千安打を達成したい」と語っていた。きょうばかりは、関西の阪神ファンも、栗山に大きな拍手を送ってもらえればと願う。(井川朋宏)

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