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車いすバスケットボール男子決勝 米国選手(左)をマークする鳥海連志=有明アリーナ(撮影・伊藤笙子)
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車いすバスケットボール男子決勝 米国選手(左)をマークする鳥海連志=有明アリーナ(撮影・伊藤笙子)

 漫画のような死闘が目の前で繰り広げられた。

 車いすバスケットボール男子。東京・有明アリーナで日本が米国に挑んだ決勝を見た。

 米国は前回リオデジャネイロ大会の王者。日本は9位だった。試合前の練習を見ても体格は圧倒的に分が悪い。苦戦すると思ったが、見事に予想を覆してくれた。

 接戦を続け、第4クオーター残り6分を切ったところで、日本が56-51と5点リード。ついに、バスケット王国のヘッドコーチにタイムアウトを申請させた。

 だがそこから1点差に。さすが米国。さらに残り4分37秒、逆転を許す。スコアは56-57。互いに2点ずつを奪い合った後は2分40秒、スコアが止まった。決死の表情で車いすを操作し、ボールに手を伸ばしてゴールを死守する。

 残り49秒、王者に底力を見せつけられた。

 攻撃権がなくなるブザーと同時に、米国のセリオにこの日25点目となるシュートをねじ込まれ、58-61。日本はファウルで時間を止める作戦に出たが、再びセリオにやられた。

 与えた2本のフリースロー。1本目成功、そして2本目も成功。残り36秒で58-63と突き放された。

 日本はタイムアウト後、赤石がゴール下のシュートを決めて60-63としたが、追い上げはここまで。銀メダルに終わった。

 敗れたとはいえ、まさに「チーム」だった。

 藤本、香西が抜群のシュートタッチで次々とゴールを射抜き、第4クオーターに藤本が四つ目のファウルでベンチに下がった直後には、交代して入った古沢がシュートを決めた。

 車いすバスケット界の流川楓(るかわ・かえで)こと若手の鳥海は抜群の運動量で車いすを走らせ、倒れることをいとわずに前のめりにボールを追った。

 記者は36歳。流川らが活躍するバスケットボール漫画のスラムダンク世代だ。著者の井上雄彦さんは車いすバスケットボールを描いた「リアル」も世に出しており、試合後、ツイッターでただ一言、「素晴らしかった」と健闘をたたえた。

 勝ち切れなかったとはいえ、漫画を超える筋書きを見せてくれた。

 試合後、ここまで歴代日本を背負ってきた藤本、香西の両ベテランが目に涙を浮かべた。スタンドに集まった大会ボランティアらからは万雷の拍手が降り注いだ。記者もその一人だった。(有島弘記)

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