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練習に励む社高バドミントン部。兵庫県内の傾向と同じく、部員増は顕著という=加東市木梨の同校
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練習に励む社高バドミントン部。兵庫県内の傾向と同じく、部員増は顕著という=加東市木梨の同校

 2020年から続く新型コロナウイルス禍は、大会中止など高校スポーツ界に大きな打撃を与えている。部員集めについても、一部競技から「満足に勧誘できず厳しい」との声が聞こえてくるが、兵庫県全体の部活動加入率は微増したことが、県体育協会への取材で分かった。ただし、調査の比較期間を広げると、社会情勢など、競技によって異なる事情が見えてきた。(有島弘記、藤村有希子)

 県体協によると、運動部活動の加入率(3学年合計)はコロナ前の19年度が47・11%で、コロナ禍に入部した高校1、2年生を含む21年度は47・29%と少し伸びた。

 登録人数(同)も新体操やボート、弓道に重量挙げなど、17競技が19年度より増えた。コロナ前の18年度から19年度の増加が12競技だったことを踏まえると、部員集めに感染症の影響はほぼないと言える。

■少子化の激流

 県全体の登録人数は減少が続いている。21年度は19年度よりも加入率が伸びたのに、総数は3400人少ない6万2499人。理由は一つ、止まらない少子化だ。

 登録人数の上位8競技を調べると、サッカーが1996年度の2位から首位に躍り出たが、25年前と比べて千人以上も少ない7360人だった。

 この傾向は競技人口の上位競技に共通し、バスケットボールは四半世紀で3千人近く減少。県高校体育連盟バスケットボール部の浜口貴行専門委員長によると、当時は漫画「スラムダンク」の流行を受けて競技人口が増え、その分減り幅が大きくなったとみる。

 現在でも県2位の登録人数を誇る同部。裾野を広げるため、県バスケットボール協会は幅広い世代が交流する「県バスケットカーニバル」を毎年開催。今年からは全国高校選手権県予選の決勝をサンテレビのユーチューブチャンネルで生配信してもらうなど、魅力発信にも努めている。

■異色の競技

 少子化で軒並み登録人数を減らす中、急増した競技がある。バドミントンだ。96年度は3811人(8位)だったが、2021年度は5738人(3位)と2千人近くも増えている。

 県高体連バドミントン部の高橋幸治専門委員長が率いる社高は勧誘をしなくても人が集まるといい、高校から競技を始めた1年生男子8人は「(攻防の)スピード感」を主な理由に挙げた。

 「世界的に活躍し、メディアも取り上げた」。高橋専門委員長は日本代表の躍進も指摘する。16年リオデジャネイロ五輪の女子ダブルスで高橋礼華、松友美佐紀組が金メダルに輝き、社高の1年生の中にも「リオを見て」と話す部員がいた。

     ◇

 時の流れとともに人気も移ろう。パリ五輪から新競技に採用されるなどダンスは、20年前の749人から1535人に倍増。いかに子どもたちに選ばれるか。競技ごとの発信力がますます問われている。

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