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阪神・佐藤輝の“ファン第1号”の高取君己さん。自身が営む飲食店に贈られたユニホームなどを飾る=西宮市荒木町、「はづき」
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阪神・佐藤輝の“ファン第1号”の高取君己さん。自身が営む飲食店に贈られたユニホームなどを飾る=西宮市荒木町、「はづき」
広島・九里から24号3ランを放つ阪神・佐藤輝=10月24日、マツダスタジアム
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広島・九里から24号3ランを放つ阪神・佐藤輝=10月24日、マツダスタジアム
阪神の佐藤輝が愛するカツ丼=西宮市荒木町、「はづき」
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阪神の佐藤輝が愛するカツ丼=西宮市荒木町、「はづき」

 球団の新人記録を塗り替える24本塁打を放ち、ファンに鮮烈な印象を残したプロ野球阪神の佐藤輝明内野手(仁川高-近大出)。2年目の来季、さらなる飛躍が期待される大型スラッガーにほれ込み、少年時代から体づくりを支えた高取君己(なおき)さん(50)=兵庫県西宮市=が“怪物”の素顔を明かしてくれた。(有島弘記)

■出会い

 同市内で飲食店「はづき」を営む高取さんは元球児で捕手だった。10年以上前、人づてに「いいキャッチャーがいる」と聞いて見に行った少年が、同市立甲東小学校4年の佐藤輝。矢のような二塁への送球に心を奪われた。別チームに在籍した長男ら、同学年とは別次元の強肩。「投げるしぐさ、ネクストの姿も様になっていた。プロになる」と直感が走った。

 佐藤輝の所属チームのウェブサイトを見ては試合に足を運び、60メートル超の場外本塁打や兼任した投手の完封を目撃した。だが、話し掛けたのは「けがだけはするなよ」の一度だけ。静かに見守ったが、長男の高校進学を機に急接近した。

 「びっくりするで」

 仁川高の入学式後、長男が店に駆け込んできた。「佐藤がいた。でもサッカーするって」。高取さんは思わず「もったいない」と返した。長男に何度も口説かせたが、首を縦に振らない。野球部の仮入部の締め切り直前になって初めて、うなずいたという。

■筋トレ

 長男と佐藤輝は気が合い、登下校をともにした。父親同士も飲みに行くほど親密になり、高取さんは「筋トレさせた方がいい」と勧めた。身長は180センチを超えていたが、体重は80キロほど。2年秋の県大会でフェンス直撃の飛球を放ったが、柵越えする力はなかった。

 その後、器具が買いそろえられたが、高取さん親子が自宅に行くと、使った形跡がなかった。そこで、親子で鍛えていた2人が重いバーベルを持ち上げると、佐藤輝は「すごいっす」。ジム通いに誘うと「お願いします」と、週3回の合同トレーニングが始まった。

 2年生の冬を肉体強化に費やし、高取さんは食べ放題にも連れて行った。体重は97キロにまで増え、筋力も付いた。練習試合が解禁されると、本塁打を連発した。

 プロの世界でも筋肉質な佐藤輝の原点は、高校時代にあった。高取さんはまさに恩人だが「方向付けはそうでも、彼にはセンスがあって努力ができた」と首を横に振る。

■恩返し

 今年8月の遠征後、本人から店に出前の電話があった。初めてのことで、不思議に思いながら好物のカツ丼を作って寮に向かうと、球団の新人記録となった23号バットを手に待っていた。サインも入っていた。

 「持って帰ってください」

 出前を口実にした、佐藤輝のサプライズだったのだろう。「配慮ができる子なんです。その気持ちがうれしかった」。記念バットは高取さんの宝物だ。

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