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グランプリ女子1万メートル決勝で日本人トップの2位となり、優勝した同じ豊田自動織機のヘレン・エカラレ(左)と言葉を交わす田中希実(撮影・吉田敦史)
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グランプリ女子1万メートル決勝で日本人トップの2位となり、優勝した同じ豊田自動織機のヘレン・エカラレ(左)と言葉を交わす田中希実(撮影・吉田敦史)
グランプリ女子1500メートル決勝 4分10秒60で優勝した豊田自動織機の田中希実(右)=ユニバー記念競技場(撮影・吉田敦史)
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グランプリ女子1500メートル決勝 4分10秒60で優勝した豊田自動織機の田中希実(右)=ユニバー記念競技場(撮影・吉田敦史)
グランプリ女子1500メートル決勝 4分10秒60で優勝した豊田自動織機の田中希実(手前)=撮影・鈴木雅之
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グランプリ女子1500メートル決勝 4分10秒60で優勝した豊田自動織機の田中希実(手前)=撮影・鈴木雅之
グランプリ女子1万メートル決勝で日本人トップの2位となり、優勝した同じ豊田自動織機のヘレン・エカラレ(左)と言葉を交わす田中希実(撮影・吉田敦史)
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グランプリ女子1万メートル決勝で日本人トップの2位となり、優勝した同じ豊田自動織機のヘレン・エカラレ(左)と言葉を交わす田中希実(撮影・吉田敦史)

 陸上の日本グランプリシリーズ神戸大会、第70回兵庫リレーカーニバル(兵庫陸上競技協会、神戸新聞社など主催)最終日は24日、神戸市須磨区のユニバー記念競技場で男女のグランプリ(GP)14種目など男女計37種目の決勝を行った。GP女子1500メートルは田中希実(豊田自動織機、西脇工高出身)が4分10秒60で2連覇。続く同1万メートルでは32分39秒29で日本人トップの2位に入った。

 底知れない力に感嘆するしかない。グランプリ女子1500メートルを制した田中はわずか25分後、グランプリ女子1万メートルのスタートラインに立った。「やる前は怖かったけど、集中して楽しめた」。同日2冠こそならなかったものの、日本人トップの2位。中距離と長距離、異例の2種目挑戦を涼しい顔でやってのけた。

 1500メートルはペースメーカーの入りが設定より遅く、目標の4分10秒切りを果たせなかった。だが、悔しがる暇はない。息を切らしながらゼッケンを付け替え、トレーナーに体をほぐしてもらっていたら、あっという間に時間がきた。

 1万メートルは「走りだしたら意外と楽だった」という。豊田自動織機の同僚エカラレには先を行かれたが、日本人選手の集団の中で淡々とリズムを刻む。切り替わったのはラスト3周。周回遅れにされたエカラレにぴたりとついて追走し、一気にスピードを上げて前に出て、そのままの勢いで最後の一周を走りきった。

 父の健智コーチは「疲れがたまった中で、どれだけスタミナを持っているかの確認」と今大会の狙いを話す。昨年の日本選手権でも800メートルと5000メートルに挑戦。田中は「逃げずに距離を倍にしてやるのが今の自分にとってはチャレンジだった」と振り返った。

 400メートルから1万メートルまで、他の選手ではあり得ない幅広い取り組みはすべて、世界で戦うためだ。理想は日本人選手が得意とする粘り抜く走りではなく、ラスト1周まで先頭争いを演じること。そのために必要としているのは中距離のスピードで、今夏の世界選手権は東京五輪に出場した1500メートルと5000メートルに加え、800メートルも視野に入れる。

 22歳のマルチランナーの夢は「どの種目も速い選手を目指したい。マラソンにもつながる」と壮大だ。次は一体どんな挑戦で驚かせてくれるのだろうか。(今福寛子)

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