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 サッカー女子「Yogibo WEリーグ」で、INAC神戸が首位を独走し、初代女王に駆け上がった。強さの源泉は何なのか。取材で質問すると、選手たちから必ず返ってくる言葉がある。「INACのレギュラー争いに勝つことが、なでしこ(ジャパン)への第一歩」。その思いは他チームよりはるかに実感しやすいといい、個々の能力を引き上げる要因となった。

 今季加入し、ブレークしたMF成宮唯(27)が好例だ。シーズン前、星川敬監督(45)は「無名だった選手が代表に入った話をした」と明かす。前回指揮した2011年に日本のワールドカップ(W杯)初優勝に貢献した川澄奈穂美(36)の取り組みを伝えるなどし、奮起を促したという。

 「タイトル獲得と、個人的な代表入りも目指して移籍することを決めた」と成宮。元々運動量豊富なプレースタイルゆえに無駄走りも多かったが、INAC加入後、FWから中盤に主戦場を移し、効果的なポジショニングを習得。ゴール前の嗅覚も磨かれ、チーム2位の5得点を挙げるなど中心選手になった。昨秋には念願の代表へ初招集され、4強入りした1月のアジアカップでもゴールを奪うなど、代表の常連になりつつある。

 再起し、代表に返り咲いた選手もいる。阪口萌乃(29)はチーム屈指の技術を持つ司令塔タイプながら、途中出場に甘んじていた。チーム事情で3月の後半戦から初めてFWで起用されると、移籍後リーグ初得点を含む3得点と得点能力が開化。4月の代表候補合宿に追加招集された。3年ぶりだった。7年間プレーした新潟を離れる決断をしたのが2年前で「そういうこと(代表)も含めて環境を変えた。チームとしても目に見える結果を出せているのが大きい」とうなずいた。

 この傾向は今季だけに限らない。2020年には、なでしこリーグ5連覇中だった王者日テレから田中美南(28)が電撃移籍。前年のW杯でメンバー落ちするなどした危機感から「五輪で活躍する」を目標に神戸にやって来た。新天地でも2桁得点と点取り屋としての実力を発揮し、昨年の東京五輪ではエースストライカーとしてピッチに立った。

 それ以外にも、本職のFWに戻った高瀬愛実(31)は4年ぶりに代表復帰を果たし、ボランチで全試合先発出場した伊藤美紀(26)は代表活動に初参加。今季、高瀬はWEリーグ第1号ゴールを記録し、FW登録選手で最多出場中。伊藤はサイドや最終ラインでのプレーも覚えてユーティリティー性を発揮し、首位独走を支えている。

 自チームでの活躍が日本代表に直結する-。競争力のある組織づくりに成功したことが、5季ぶりタイトル獲得の原動力となった。(尾藤央一)

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