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自ら総合演出するアイスショー「BEYOND」への思いを語る浅田真央さん=大阪市北区
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自ら総合演出するアイスショー「BEYOND」への思いを語る浅田真央さん=大阪市北区
選手時代とはまた違ったキュートな演技で観客を魅了する=京都市右京区、京都アクアリーナ
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選手時代とはまた違ったキュートな演技で観客を魅了する=京都市右京区、京都アクアリーナ

 フィギュアスケート女子で2010年バンクーバー冬季五輪銀メダリストの浅田真央さん(32)が、自ら総合演出する新たなアイスショー「BEYOND(ビヨンド)」で兵庫県をはじめ全国各地を回っている。「私も小学生の時に伊藤みどりさんのアイスショーを見て目標をもらった。同じように子どもたちに夢を与えられたら」とスケート界の未来を見つめる。(山本哲志)

■15歳で世界に衝撃

 浅田さんは名古屋市出身。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を代名詞に15歳でグランプリ(GP)ファイナルを制し、世界に衝撃を与えた。10年バンクーバー五輪の銀メダルや、14年ソチ五輪で見せた圧巻のフリー演技は今も語り草だ。

 17年に26歳で引退した後も、プロスケーターとして氷上で輝きを放つ。

 「選手時代は決められたルールで競技をしないといけないが、アイスショーは自分の好きなことができる。照明や映像があったり、衣装も小道具を使えたりロングドレスを着ることができたり、スケートの世界が広がった」

■「トップでなくても…」

 「BEYOND」の意味は「超える」。「30代になっていろんなことを学び経験してきた。進化したな、と思ってもらえればうれしい」。現役時代に使った「シェヘラザード」「白鳥の湖」などの楽曲を選びつつ、別パートや初のペア演技に挑戦している。

 出演者は交流サイト(SNS)で公募し、オーディションを重ねた。競技引退後も観客の前で演じられるのは一握り。「トップにいけなかった選手にも素晴らしい表現や美しい滑りをする人がいる。トップスケーターでなくても『こういう場所で滑れるんだよ』と知ってもらいたかった」。無名ながらきらりと光るスケーターたちと、一からショーをつくりあげた。

■浅田さんに憧れて

 10月上旬に尼崎スポーツの森(兵庫県尼崎市)であった兵庫公演は、32歳を迎えて初めての公演だった。「全4公演とも違うサプライズがあって感動した。姉(浅田舞さん)がメッセージを読んでくれたり、メンバーが内緒で1曲滑ってくれたり。とても幸せで思い出になった」と振り返る。

 兵庫には浅田さんに憧れてスケートを始めた選手がいる。今季のGPシリーズ英国大会とフィンランド大会で2連勝を飾り、初のGPファイナル進出を決めた三原舞依(シスメックス、甲南大大学院)だ。今季のフリー演技「恋は魔術師」は、かつて浅田さんが現役最後のシーズンに演じた曲でもある。

 19年夏、三原は浅田さんが手がけた前回のアイスショー「サンクスツアー」の会場を訪れていた。体調不良で静養していた時期で、「『頑張ってね』と声をかけたのを覚えている。それからみるみる復活をして、今ではさらに素晴らしいスケーターになって戻ってきてくれた。私自身もうれしい」。

■「また戻ってくることができて」

 同アイスショーは今年9月に始まり、来年3月まで約70公演を予定。関西では来年3月4、5日に大阪公演がある。会場の「東和薬品RACTABドーム」(大阪府門真市)は、競技生活最後の公式戦となった全日本選手権を戦った場所。「そういった思いもあり、また戻ってくることができてすごくうれしい」と柔和な笑みを浮かべる。

 世界中から愛された不世出のスケーターは、今も新たな夢を追いかけている。

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