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W杯クロアチア戦の前半、攻め込む堂安律=アル・ジャノブ・スタジアム(撮影・金田祐二)
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W杯クロアチア戦の前半、攻め込む堂安律=アル・ジャノブ・スタジアム(撮影・金田祐二)

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は6日(日本時間)、前回準優勝のクロアチアとの決勝トーナメント1回戦に臨み、MF堂安律(24)=兵庫県尼崎市出身=が前半の先制点に絡む活躍を見せたものの、1-1のまま突入したPK戦に1-3で敗れ、初の8強入りはならなかった。

 「新しい景色」を目指した大一番で先発に名を連ねた堂安は中盤で厳しくマークされながらも粘り強くボールをキープし、左足の鋭いキックで好機を演出。セットプレーのキッカーも担った。そして前半43分、ショートコーナーからの流れで堂安が右サイドから中央へクロス。DF吉田麻也が落とし、FW前田大然が左足で押し込んで日本は今大会初めて先制した。

 後半10分に追い付かれた後、堂安は15分に左足シュートを放つ。33分には危ない場面で足を投げ出してボールをクリアし、後半42分に南野拓実と交代してベンチに退いた。

 試合後、堂安は「堅い守備からゴールを取りにいくという点では悪くなかった。試合展開はパーフェクトだったけど、後半ラスト20分ぐらいから攻撃のクオリティーが下がった。アタッカーである自分の責任かなと感じている」と背負い込み、「PKは誰も責めることはできない。(その前に)決めきれなかった自分たちの責任」と振り返った。

 1次リーグ初戦のドイツ戦は「俺が決める、俺しかいない」、最終戦のスペイン戦は「俺のコース」と、らしさ全開で同点ゴールを奪い、チームを勢いづけた。2日朝、スペイン戦に勝利し、2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた1時間後、堂安はツイッターに「優勝するよ!!」と投稿し、興奮冷めやらぬサポーターの気持ちをさらに高ぶらせた。

 11月1日にW杯の日本代表に初選出された際、日本が初のベスト8以上を目標に掲げていることを念頭に、堂安も「新しい景色を届けたい」と呼応し、「夢を見ていい。小さい頃、W杯に出ると言ってばかにされてきた人たちが夢を見て、この舞台に立った。優勝を目指さないでどうする」と言葉を続けた。

 開幕前は世間の期待、関心がまだ薄く、堂安のその言葉も広く取り上げられることはなかったが、1次リーグでドイツ、スペインと優勝経験国を立て続けに破る原動力となり、状況は一変した。この日は前回準優勝のクロアチアと渡り合い、また一皮むけた姿を見せた。「先輩たちが残してくれたものを僕たちが4年間かけて次につなぎ、向かっていかなければいけない」。夢はかなわなかったが、日本中を熱狂させた物語の中心に「DOAN」がいた。

     ◇

【どうあん・りつ】 1998年、兵庫県尼崎市出身。浦風FC、西宮SSを経てガンバ大阪の下部組織で育ち、2015年にトップチームでデビュー。2017年のU-20(20歳以下)W杯、昨夏の東京五輪では日本の主力を張った。国際Aマッチ33試合出場5得点。2017年から欧州に移り、オランダのフローニンゲン、PSVアイントホーフェン、ドイツのビーレフェルトでのプレーを経て、現在はフライブルクに所属する。172センチ、70キロ。24歳。

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