女子バレーボール界に、楽しみな新星の登場だ。兵庫県宝塚市立安倉中３年のミドルブロッカー馬場柚希。Ｕ１８（ユース）アジア選手権で唯一の中学生として日本の優勝に貢献したのに続き、全国都道府県対抗中学大会では最優秀選手賞にあたる「ＪＯＣ・ＪＶＡカップ」を獲得。右肩上がりの成長曲線を描く逸材は「もっと自分を磨き、日本代表として活躍できる選手になりたい」と瞳を輝かせる。

■打ち下ろすスパイクに威力

　大阪・四天王寺高でプレーする２歳上の姉、夏希の背中を追って安倉小１年時に競技を始め、みるみる頭角を現した。１７８センチの長身から打ち下ろすスパイクは威力があり、ジャンプ力を生かしたブロックやサーブも武器。「崖っぷちの場面で決めるスパイクやブロックの感触が好き」と、屈託のない笑顔を見せる。

　初めて日の丸を背負った昨年６月のアジアユースは、全７試合中５試合に先発して存在感を発揮。「冷静にコートを見てプレーができて楽しかった」と充実感を漂わせる。

　毎日納得がいくまで練習するというサーブではミスもあったが「心残りや反省を今の強気のサーブに生かせている」と成長の糧に。代表合宿や海外遠征の中で食事やメンタルの管理方法も教わり、「技術以上に勉強になった」と多くの気付きを得た。

　１２月の全国都道府県対抗中学大会では兵庫女子の主将を務め、準優勝した岡山に予選リーグでストレート勝ちするなど、３年間の中学生活を有終の美で飾った。

　「レシーブもスパイクも、どこ（の位置）に入っても活躍できる」女子日本代表が誇るオールラウンダー林琴奈（ＪＴ）に憧れる１４歳。理想を追い求め、挑戦し続ける。