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県郡市区対抗駅伝1区で力走する関大の亀田仁一路(左)=加古川市内
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県郡市区対抗駅伝1区で力走する関大の亀田仁一路(左)=加古川市内
兵庫県郡市区対抗駅伝1区で、地元代表として力走する関西大の亀田仁一路(3-1)。視線の先に箱根、さらに世界を見据える=加古川市内
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兵庫県郡市区対抗駅伝1区で、地元代表として力走する関西大の亀田仁一路(3-1)。視線の先に箱根、さらに世界を見据える=加古川市内
兵庫県郡市区対抗駅伝1区で、地元代表として力走する関西大の亀田仁一路(3-1)。視線の先に箱根、さらに世界を見据える=加古川市内
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兵庫県郡市区対抗駅伝1区で、地元代表として力走する関西大の亀田仁一路(3-1)。視線の先に箱根、さらに世界を見据える=加古川市内

 全国の大学が予選会に参加可能となる第100回東京箱根間往復大学駅伝(2024年1月2、3日)。昭和初期、関西勢ながら本大会に3度出場した関西大に、全国屈指のランナーがいる。昨秋の日本学生対校選手権1万メートルで日本人トップの4位となり、一躍注目を浴びた3年の亀田仁一路(21)=兵庫県たつの市出身。西の学生長距離界をけん引し、関西から箱根経由で世界レベルを夢見る。

 たつの市立御津中で陸上競技を始め、進んだ強豪の姫路商業高では3年時に県高校総体5000メートル8位、近畿高校駅伝3区で留学生に次ぐ区間2位に入る力をつけた。高校時代のトラック5000メートルの自己ベストは14分25秒76だった。

 関西大入学時の20年以降は新型コロナウイルス禍で練習が制限された。その中で、自転車型の器具など筋力トレーニングにも力を入れ、自ら頭を使った練習メニューをこなした。

 飛躍の陰には、2度にわたる故障があった。1年生の冬場に足首の靱帯(じんたい)を損傷。全治3カ月程度の診断だったが「やらないといけないのは明白だった」。数日後、ひそかに練習を再開。この経験があり、2年生の冬場にも同様のけがを負ったが、また数日で徐々に練習を始めた。

 周囲にも止められ、けがが悪化して長引くリスクも背負った。ただ、根底には「諦めることが嫌い」という精神力があった。「もっと速くなりたいと思うきっかけになった。この経験がなければ、今の自分はなかった」という。

■関東勢押しのける快走

 21年11月の全日本大学駅伝では日本学連選抜の1区で6位と力走。22年6月に全日本、出雲全日本選抜の両駅伝出場を懸けた関西学連の選考会では、全体1位の個人記録で、チームを20年ぶりの出雲駅伝出場へ導いた。

 「速くなったというより強くなった。人として成長できた」。その言葉を体現したのが、22年9月の日本学生対校選手権だ。終盤、同年の箱根駅伝9区で区間新をマークし、最優秀選手に輝いた中村唯翔(青山学院大)を抜き去り、28分49秒45で日本人1位に。関東の強豪大学のエースたちを退け、ガッツポーズを見せた。

 関東勢への対抗意識はそれほどなかった。「同じ日本で戦うランナーとして、関東も関西も関係ない。速いかどうか。それだけ」。ただ周囲の反響は想像以上に大きく「応援の大きさを知り、一層競技に身が入るようになった」と明かす。11月には28分25秒80の関西学生記録もたたき出した。

■思い描く箱根1区独走

 実は大学入学時、4年生で迎える第100回箱根駅伝を既に見据えていた。「まだまだ力が足りず、もし行けるとしても4年生。大会が全国化されれば、関西からでもチャンスはある」と考えていた。

 今年は、関東学生連合の1区で終盤まで独走し、見せ場をつくった新田颯(育英大)の走りに自らの姿を重ねた。1年後は「先頭で積極的なレースをしたい」と思い描く。1月3日にはツイッターで「次は箱根駅伝第100回大会。チャンスをモノにできるように! 待ってろ! 箱根駅伝!!」と投稿した。

 本大会に出場すれば実に92年ぶりとなる関西大。だが、予選会と例年日程が近い全日本大学駅伝出場という目標もある。「もし全日本に出られればそこに集中し、出られなければ箱根に目標を切り替えることになるのでは」と語る。04年の第80回箱根駅伝で初めてオープン参加した日本学連選抜の編成にも望みをつなぐ。

■地元で魅せた背中

 2月5日、兵庫県加古川市で3年ぶりにあった県郡市区対抗駅伝では、地元たつの市代表として出場した。「恩返しの思いを込めて、中高生に今後のプラスになるものを残したい」と、河川敷のコースで1区10キロのうち8キロ程度まで先頭で引っ張った。終盤は、昨夏全国高校総体5000メートル日本人1位の前田和摩(報徳高)にトップを譲ったが、17秒差で29分25秒の区間3位にまとめた。

 今年はトラック1万メートルで世界ユニバーシティー大会出場を見据え、まず4月の日本学生個人選手権に照準を合わせる。シーズンでは27分30秒という記録も掲げ、さらなる飛躍を期する。

 仁一路という珍しい名前の由来は「思いやりを持って一つの道を進む」。最後の文字「路」には、ロードの駅伝やマラソンで活躍する期待が込められるという。「壁を壊したい。将来はマラソンで日本記録を狙い、世界で1番をとる」。その言葉には少しの迷いもなかった。

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