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篠山産高での野球教室で高校生(左)からスローイングを教わる中学生ら=2月4日、丹波篠山市郡家の同校グラウンド
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篠山産高での野球教室で高校生(左)からスローイングを教わる中学生ら=2月4日、丹波篠山市郡家の同校グラウンド
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中学生に打撃を指導する篠山産高の長沢宏行監督(左)。高校野球界の名将も競技の振興に一肌脱ぐ=2月4日、丹波篠山市郡家の同校グラウンド
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中学生に打撃を指導する篠山産高の長沢宏行監督(左)。高校野球界の名将も競技の振興に一肌脱ぐ=2月4日、丹波篠山市郡家の同校グラウンド

 18日に開幕する選抜高校野球大会は学生スポーツでも有数の注目度を誇る一方、足元の球児の数は全国で減り続け、ピークから4分の1近く減った。こうした流れを打破しようと、聖地・甲子園を抱える兵庫県ではプレーを通じて小中学生と交流する動きが加速している。「まずは高校野球の楽しさを感じてもらうところから」。急速な野球離れに、関係者は危機感を強める。

 「よろしくお願いします」。2月4日、丹波篠山市の篠山産高グラウンドに、野太い声とやや甲高い声が響いた。同高と篠山鳳鳴高、市立中5校の野球部員計約60人が参加した野球教室。県高校野球連盟や市が主催し、両高校の部員や指導者がスイングや送球を手取り足取り教えた。

 篠山中の火置団斗(だんと)主将は「自分が気付かない部分を教えてもらい、少しの練習でもうまくなった実感がある」と興味を深めた様子。篠山産高の大槻冴斗(さえと)主将は「地元の高校野球が盛り上がってほしい」と願った。

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 中高によるこうした交流は県内では初めて。日本高野連は、高校側の中学生への接触はスカウトにつながるとして原則禁じてきたが、高校野球の持続的な発展を目指して2018年に発表した「200年構想」で方向転換。振興策として、複数校同士の中高交流は促す方針に転じた。

 県内でも方策が検討され、創志学園高(岡山)などを率いて甲子園出場経験のある長沢宏行氏を篠山産高監督に招聘(しょうへい)するなど、高校野球を通じた地域活性化に乗り出す丹波篠山市が中高の教室を計画。県高野連に持ちかけ、兵庫のモデルケースとして開催に至った。

 県高野連の高橋滋理事長はあいさつで、「(現状に)危機感を持っている」とし「現役、未来の球児が一緒になって野球の楽しさを再確認する機会にしてほしい」と呼びかけた。県高野連や県中学校体育連盟の各地区担当者も視察し、今後は県内全域への展開が期待される。

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 取り組みの背景にあるのは競技人口の低迷だ。右肩上がりだった全国の加盟校部員数(硬式)は14年度を頂点に減少局面に入り、22年度には23%減の13万1259人=グラフ。

 15年度を境に減り始めた兵庫も、22年度はピーク比で25%減の5915人だった。県内の男子高校生(通信制を除く)は、21年度までの6年間で11%減にとどまり、野球人口の衰退は少子化だけが要因ではなさそうだ。

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 高校野球の魅力を早くに知ってもらおう-。県高野連の動きとは別に、中学で別競技に流れるのを防ごうと、小学生への働きかけも広がる。兵庫高では2月25日、初めて神戸市内の少年野球チーム約90人との合同練習会を開き、川端太一監督は「じかに接して、高校野球に憧れるきっかけになれば」と狙いを語る。

 加古川西高の吉本純也監督は、前任の姫路南高時代の約10年前から地域の野球少年を集めて教室を実施。野球離れの原因を「保護者の面倒や経済的な負担、時間の制約などさまざま」とみており、「こんなに楽しいスポーツはないとまずは知ってもらい、高校まで野球を続けてほしい」と切望する。

【特集ページ】兵庫の高校野球

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