世界初挑戦で判定勝ちし、ベルトを天に掲げる堤聖也＝２０２４年１０月１３日、有明アリーナ
世界初挑戦で判定勝ちし、ベルトを天に掲げる堤聖也＝２０２４年１０月１３日、有明アリーナ

　異例の光景だった。ベルトを巻こうとしたレフェリーを、新王者が制した。「先にいいですか」。世界王者の証しを天に掲げ、亡きライバル穴口一輝の名を呼んだ。昨年１０月１３日。世界ボクシング協会（ＷＢＡ）バンタム級王座に挑戦した堤聖也は、王者の井上拓真を猛攻で制し、判定で初戴冠。約束を果たした。