久谷八幡神社(兵庫県新温泉町久谷)の秋祭りが14、15日にあり、五穀豊穣(ほうじょう)や氏子の安全を祈る県指定無形民俗文化財「久谷ざんざか踊り」が奉納された。
全国各地に分布する「風流太鼓踊り」の一つ。唄の歌詞は室町時代後期や近世初期の歌謡集に類似した部分が多く、踊りの歴史もその時代までさかのぼる。篠竹と和紙で作った華やかな一文字笠は但馬のざんざか踊りで最も古い形態とされる。
1958(昭和33)年に発足した「久谷ざんざか踊保存会」が踊りを伝承しており、今年は中高生2人と大人6人が踊り手を務めた。古式ゆかしい唄に合わせ、腰に据えた平太鼓を一定のリズムで打ちながら、その場で回ったり、片膝をついて上半身をのけぞらせたりと軽やかな舞を披露した。
踊り手最年少の浜坂中2年株本陽貴(はるき)さん(14)は2回目の挑戦。「今年は暑くて大変でした」と汗をぬぐった。(長谷部崇)