江戸時代に建てられた古民家でかき氷専門店を開く善積良至さん(右)、祐巳子さん夫妻=丹波市春日町小多利
江戸時代に建てられた古民家でかき氷専門店を開く善積良至さん(右)、祐巳子さん夫妻=丹波市春日町小多利

 かき氷専門店「夢雪(ゆめゆき)in兵庫丹波」が5月2日、丹波市春日町小多利にオープンする。地元で農業に取り組む善積良至さん(49)と祐巳子さん(48)夫妻が、丹精する農産物と空き家となっていた古民家を生かし、地域に新たな涼の拠点をつくる。(秋山亮太)

 店は小多利集落の一角、小富士山を背にした場所にたたずむ。建物は江戸時代末期の1860年築と伝わる古民家で、柱やはりなど残せるものをほとんどそのままに、古き良き日本の雰囲気を生かした。

 かき氷は基本8種類。不純物を除いてゆっくり凍らせた「純氷」を使い、削る温度にもこだわって、口に入れた瞬間にほどける食感を追求した。生クリームなどをガスでムース状に泡立てた「エスプーマ」と組み合わせるのも特徴という。

 看板は「丹波の黒豆濃厚きなこ」(2千円)。農薬や化学肥料に頼らず栽培した黒大豆を店で焙煎(ばいせん)・粉砕し、シロップと合わせて氷に絡める。仕上げにエスプーマの上からもきな粉を振りかけ、煮豆やあんこ、大粒の栗、白玉も添えた。一口で黒豆の香りが広がり、食べ応えもある。

 自家栽培の野菜や果物を生かした季節商品も考案中。ビンゴ方式で食べた商品の枠を埋め、列ができるとトッピングなどの特典が受けられるサービスも用意する。

 良至さんは同市柏原町出身。大学卒業後は東京でシステムエンジニアとして働いた。祐巳子さんとはトライアスロンを通じて出会い、競技で各地を巡る中で食や自然への関心が深まり、農業を志すようになったという。専門誌で学び、プランター栽培から始め、農園を借りて経験を重ねた。

 2017年に丹波へ移住し、自分たちが「食べたい」と思う野菜を中心に無農薬で栽培。芦屋市での直売会やインターネット販売で届けてきた。現在は約4千平方メートルで年間100種類を手がける。

 かき氷店の準備は昨春から進めた。空き家となった古民家を地域の財産として残したいという思いが出発点で、営農と両立できる事業として決断した。開店に向けては情報発信や全国行脚でつながりを広げ、20~25年にかけてクラウドファンディングを7回実施。延べ1400人から支援を受け、実際に足を運んで改修作業を手伝ってくれた人もいたという。

 祐巳子さんは「ここまでの歩みで得たつながりを大切に、訪れる人みんなが笑顔になれる場所にしていきたい」と話す。良至さんも「まずは店から盛り上げ、にぎわいを地域に広げて、みんなで丹波市を元気にしていきたい」と意気込む。

 営業は9月末までの予定で、原則水、木、日曜の午後1~6時。5月2~7日(5日を除く)はオープン記念として営業する。店舗情報や問い合わせは公式LINEから。