記者会見する中谷防衛相=5日午前、防衛省
 記者会見する中谷防衛相=5日午前、防衛省

 オーストラリアのマールズ国防相は5日、海軍の新型艦導入計画を巡り、日本を共同開発の最有力候補に選び、優先交渉に入ると発表した。日本は海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)をベースにした共同開発を提案し、ドイツと争っていた。価格交渉で最終合意すれば、英国、イタリアと共同開発を進める次期戦闘機に続き、殺傷能力のある大型の武器輸出となる。最大100億豪ドル(約9500億円)規模で11隻の建造を予定し、2029年の納入開始を見込む。

 中谷元・防衛相は5日の記者会見で、来年初めの最終契約を想定しているとし「特別な戦略的パートナーであるオーストラリアとの安全保障協力を、さらなる高みに引き上げる大きな一歩となる」と歓迎した。

 マールズ氏はFFMに関し、ステルス性が高く、より多くのミサイルを搭載でき、高性能レーダー、ソナーを備えている点を評価。「対空戦と対潜水艦戦の両方で効果を発揮する真の多目的艦だ」と語った。

 4日夜に中谷氏と電話会談。「中谷氏は開発への強力な支援と熱意を表明した」と述べた。