静岡県伊東市議会の解散通知書を読み上げる田久保真紀市長=10日午前、伊東市
 静岡県伊東市議会の解散通知書を読み上げる田久保真紀市長=10日午前、伊東市

 静岡県伊東市の田久保真紀市長は10日、学歴詐称疑惑を巡り、自身に対する不信任決議を可決した市議会を解散した。中島弘道議長に通知書を手渡した後、記者団に「市民に信を問うべきだと考えた。議会を変える新しい力に期待したい」と語った。中島氏は「大義なき解散だ。怒りしかない。市民も納得いくものではない」と批判した。

 公選法に基づき、40日以内に市議選が行われる。市議会は定数20。新しい議会で再び不信任決議が可決されれば田久保氏は失職する。可決には全議員の3分の2に当たる14人が出席し、過半数の賛成が必要。田久保氏は、自身が主導する形での候補者擁立を否定した。

 市議会は1日に不信任決議を全会一致で可決。田久保氏は11日までに辞職か失職、議会解散を選ぶ必要があった。田久保氏は9月定例会の初日に不信任決議が可決されたとし「市民生活に大変重要な審議が放棄された事実を冷静に受け止め、判断した」と述べた。

 決議は、市広報誌で東洋大卒業と紹介した経緯を調査する市議会の特別委員会(百条委員会)への出席を拒み、虚偽証言をしたことなどを踏まえると田久保氏は市長として不適格、としていた。