財務省が８日発表した８月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比４・８％減の３兆７７５８億円だった。黒字は７カ月連続。海外子会社からの配当金が減少したことで前年実績を下回った。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は１０５９億円の黒字だった。前月は１８９４億円の赤字で２カ月ぶりに黒字転換した。前年と比べ原油価格が下落し、中東からの原粗油の輸入額が減少したことが影響した。
輸出は０・４％減の８兆３５９６億円で４カ月連続の減少。輸入は６・０％減の８兆２５３７億円と５カ月連続で減った。
サービス収支は１８９９億円の赤字で、赤字幅が拡大した。訪日客の増加で旅行収支は４１９５億円の黒字と８月としては過去最高となったものの、知的財産権等使用料の受取額が減った。
海外投資に伴う利子や配当のやりとりの動向を示す第１次所得収支は１１・５％減の４兆２９８６億円の黒字だった。
