他人のIDで不正ログインし、電子マネー「楽天キャッシュ」計約70万円分をだまし取ったとして、神奈川県警が不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで、住所不定、無職天野翔太容疑者(37)ら2人を逮捕したことが9日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、天野容疑者が闇バイトを利用した匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の指示役とみて調べる。
捜査関係者によると、他に逮捕されたのは神奈川県のパートの女。X(旧ツイッター)で金の受け取り役の募集があり、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を通じて天野容疑者から指示を受けていたという。天野容疑者は容疑を認めている。
逮捕容疑は共謀して、昨年5月、16人の楽天IDとパスワードで不正アクセスし、計約70万円分の楽天キャッシュを詐取した疑い。
不正にログインされた利用者らは「なぜ自分のIDとパスワードが盗まれたか分からない」と話しており、実在する企業などをかたって偽のウェブサイトに誘導し、IDやパスワードを入力させて盗む「フィッシング」の手口に遭った可能性があるという。