「清戸迫横穴墓群」の「83号横穴墓」から新たに見つかった彩色壁画(奥壁部分)
 「清戸迫横穴墓群」の「83号横穴墓」から新たに見つかった彩色壁画(奥壁部分)

 福島県双葉町教育委員会は12日、同町新山清戸迫の「清戸迫横穴墓群」にある「83号横穴墓」(6世紀後半~7世紀前半)で、人や動物、刀などの武器を描いた彩色壁画を発見したと発表した。すでに彩色壁画が見つかっている付近の「清戸迫横穴(76号横穴墓)」に次ぐ発見で、具象的な彩色壁画が同じ横穴墓群で複数確認できたのは東日本では初という。

 76号横穴よりも古い時代に描かれた可能性が高く、調査した茨城大の田中裕教授は「関東の装飾古墳に見られる大刀や盾の図形があり、東北と関東をつなぐ事例だ。地域一帯の文化交流を研究する上で重要な資料」と話した。

 町教委によると、彩色壁画は、死者を埋葬したと考えられる家形の玄室(奥行き3・7メートル、幅3・6メートル、高さ2・5メートル)内の、奥壁を中心に、左右と前の壁、計4面に見つかった。

 奥壁には帽子をかぶる人や馬に乗った人、シカやイノシシ、大刀や盾などの武器などが赤色で描かれていた。