店主の堺井太郎さん(中央)と談笑する常連客ら=神戸市兵庫区湊町4、喫茶エデン(撮影・風斗雅博)
店主の堺井太郎さん(中央)と談笑する常連客ら=神戸市兵庫区湊町4、喫茶エデン(撮影・風斗雅博)

 神戸・新開地を代表する老舗喫茶店「喫茶エデン」が今年、ひっそりと閉店した。1948(昭和23)年に創業し、いつも常連客でにぎわってきたが、マスターの堺井太郎さん(72)が病に倒れた。地元から惜しむ声が上がるなか、「太郎さん」の呼び名で親しまれたマスターは「一つの区切りや。みんなに支えてもらった」と感謝を口にする。(杉山雅崇、風斗雅博)

■近年は純喫茶ブームに乗り、幅広い世代が来店

 エデンを創業したのは、太郎さんの父林(しげる)さん(故人)。戦地から復員後、現在のエデンの場所にあった喫茶店の経営を引き継いだ。

 店名の候補は二つあった。「田園」と、旧約聖書に登場する楽園「エデン」。「戦争負けたし、これからはハイカラな横文字でいこう」とエデンに決めたという。