治療を施したとみられる痕跡が残る約5万9千年前のネアンデルタール人の歯(ロイター=共同)
 治療を施したとみられる痕跡が残る約5万9千年前のネアンデルタール人の歯(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】旧人ネアンデルタール人が小型の石器を使って虫歯を治療したとみられる化石を見つけたと、ロシアなどの研究チームが13日、米科学誌プロスワンに発表した。歯は約5万9千年前のもので、チームは本格的な虫歯治療を施した最古の事例だとしている。

 チームは「治療には痛みの原因を診断し、腐敗した組織を除去することで痛みが軽減することを理解し、適切な石器を選ぶ必要があった」と指摘。「ネアンデルタール人が洗練された認知能力を持っていたことを示している」と強調した。

 歯は下顎の奥歯で、ロシア・南シベリアのアルタイ山脈にある洞窟で発見。性別不明の成人のもので、歯髄に届くほどの深い穴が開いていた。偶然できた損傷ではなく、治療によって意図的に施されたものだとチームは分析した。治療後もこの人物は長期間生存したとみられるという。

 従来の最古の歯科治療例は、イタリアで見つかった約1万4千年前の現生人類の歯。石器で虫歯部分を取り除いたとみられる痕跡が残っていた。