福岡県福津市に貴重な水生昆虫「コバンムシ」が生息している。体長約1センチで鮮やかな緑色の体を持ち、研究者は「日本の失われつつある湿地帯環境を代表する生物の一つ」と語る。県は水族館や長崎大と協定を結び、産学官が連携して人工繁殖や生息地の保護に取り組んでいる。
コバンムシは肉食で沼や池に生息する。生息地の減少やアメリカザリガニやコイなど外来種の影響で数を減らした。
県などによると本州と九州に分布。兵庫県や山口県で生息記録があるが、東京都や滋賀県などでは絶滅したとされる。福岡県は絶滅危惧種の中で最も危険度が高い「絶滅危惧IA類」に指定。2021年に保護回復事業計画を策定し、絶滅の回避を図る。県内の自然繁殖地は保全のため、非公開となっている。
全国でも珍しい人工繁殖が行われている福岡県太宰府市の県保健環境研究所。水を張った箱に浮かぶ数十個の茶こしに、コバンムシが1匹ずつ収められている。「すぐに共食いするんです」と専門研究員の中島淳さん。5~6月の繁殖期になると、一つの水槽に5ペアずつ移して卵を産ませる。
























