サッカーのJリーグ1部(J1)第33節最終日のきのう、ヴィッセル神戸が本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で名古屋グランパスに2-1で勝利し、初優勝を果たした。勝ち点68として2位の横浜F・マリノスを振り切った。頂点をつかんだ瞬間、スタンドを埋めたサポーターが歓喜に沸いた。
神戸は2020年に初タイトルとなる天皇杯を獲得したものの、J1での最高順位は21年の3位だった。創設29年目でついに悲願を達成した選手たちに、心からの拍手を送りたい。
神戸は川崎製鉄水島サッカー部を母体に発足した。初練習の予定だった1995年1月17日に阪神・淡路大震災に見舞われながら、96年、神戸市出身の永島昭浩選手らの活躍でJリーグ昇格を決めた。その後三浦知良選手らの入団もあり、チームは被災地とともに歩んできた。
選手とサポーターが〈共に傷つき 共に立ち上がり〉と声を合わせる応援歌「神戸讃歌(さんか)」は被災者らの胸を熱くさせた。
チームは2度の2部降格などの苦難も経験したが、2018年に元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手を招くなど積極的な補強を進めた。世界最高峰の司令塔であるイニエスタ選手とのプレーを望み、大迫勇也選手らも戦力に加わった。
J1残留争いを強いられた昨季とは一転、今季は開幕から3連勝を挙げ、連敗もなく上位を維持した。9月に首位を奪い返すと、そのまま優勝へと駆け抜けた。大迫選手、武藤嘉紀選手が得点を量産し、山口蛍選手、酒井高徳選手らが攻守の要となってチームを引っ張った。
昨季途中から指揮を執る川西市出身の吉田孝行監督が、攻守に運動量を求める堅守速攻の戦術を浸透させた功績も大きい。ボール保持を重視する「バルサ化」と呼ばれるプレーを変えた結果、イニエスタ選手が今年7月に退団することになった。しかし戦術の転換があったからこそのリーグ制覇だった。
今年は兵庫、大阪に拠点を置くプロ野球の阪神タイガースとオリックス・バファローズがセ、パ両リーグで優勝した。そこにヴィッセル神戸が加わった。来季も連覇を目指し、兵庫・関西を盛り上げてほしい。























