2025年の企業倒産が全国で1万件を超えた。2年連続の高水準で、特にコスト高や人手不足に対応できない中小零細企業の苦境が鮮明となった。
中東情勢の緊迫化を受けて原油価格が急騰するなど経済の先行き不透明感は増し、さらなる増加が懸念される。政府は、中小零細を中心とする地域経済の実態を注視するとともに、実効性のある対策を急ぐべきだ。
東京商工リサーチによれば、倒産件数は1万300件で、4年連続で前年を上回った。今回の特徴は小規模の倒産が増えていることだ。負債100億円以上は8件にとどまるが、1億円未満が7892件と全体の8割近くを占める。資金力のある大企業と、中小企業との格差が一段と広がっている。
倒産の要因は、物価高が767件、人手不足関連が過去最多となる397件だった。大企業は近年、円安効果や価格転嫁などで業績回復が進んだ。一方、後継者難などもともと中小企業を取り巻く環境は厳しい。物価高で原材料価格が上がり、賃上げによる人件費の上昇で経営への負担がさらに増した。
内閣府は、26年度は緩やかな回復基調を見込むが、波に乗り切れない企業は多い。新型コロナウイルス禍で中小企業支援策として行われた実質無利子・無担保融資「ゼロゼロ融資」の返済負担の増加など膨らんだ債務が重くのしかかる。日銀の金融政策が利上げにかじを切り、返済が遅れた企業は金利負担が増えるリスクも抱える。
倒産の増勢が全国に広がっているのも懸念材料である。北海道から九州まで全国9地区のうち、北海道と中国を除く7地区で倒産件数が前年を上回った。兵庫県内も634件と3年連続で増加している。
中小企業は地域に根差した存在だ。雇用や税収でまちを支え、賃金は家計から地元企業や商店を回り、金融機関を経て再び地域内で循環する。倒産が増加すれば地域の活力を奪いかねず、食い止めねばならない。
企業と金融機関、支援機関が十分に話し合い、再生へ一体となって取り組む。政府は、生産性や収益力の向上へ、これまで以上に企業の下支えに力を注ぐ必要がある。
























