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 多額の献金被害を出した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散手続きで、最高裁は解散を命じた東京高裁決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却する決定をした。解散を命じた司法判断が確定した。

 最高裁の判断は高裁決定から3カ月半の短期間で出された。高裁などで審理が尽くされた結果であり、早期の被害回復を期待したい。

 教団側は、民事上の不法行為を理由にした解散命令は不当で「宗教弾圧」に当たると主張してきた。

 これに対し最高裁は、教団が法令順守を宣言した2009年以降も献金収入維持を優先し、不適切な勧誘を防止する実効性のある措置を取らなかったことを重く見た。

 憲法が定める「信教の自由」を侵害するとの訴えも、教団が宗教法人格を失っても任意団体としての布教活動などは可能とし、信者らの精神的影響などを考慮しても「解散は必要でやむを得ない」とした。

 税制などの優遇措置を受ける宗教法人は、社会規範を順守する重い責任を担うことを指摘したと言える。

 解散確定を受け、信者や、信者を親に持つ「宗教2世」の被害回復を着実に進めなければならない。

 3月の高裁決定を受け、東京地裁の選任した清算人がすでに清算手続きを進め、少なくとも400億円の預貯金を保全した。教団全体の資産は24年度末で1040億円に上るとされる。資産隠しの動きなどに目を光らせる必要がある。

 清算人によると、信者らによる被害申告は6月中旬までに61人からあった。教団への信仰心や気兼ねなどから申し出をためらう人も多数いると予測される。国は支援団体と連携して申告を粘り強く促し、解散命令による信者の心理的影響のケアにも努めねばならない。

 宗教法人格を失った後の教団側の動きも注視することが重要だ。教祖逮捕で中枢が打撃を受けたオウム真理教とは異なり、韓国にある旧統一教会本部は存続する。別の団体を装い、強引な布教や献金活動を続ける恐れが否定できない。

 最高裁が言及しなかった大きな課題がある。政治の責任だ。

 解散命令の手続きは、安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告の献金被害がクローズアップされたことがきっかけだった。旧統一教会の問題は1980年代には社会問題になったが、教団は選挙協力などを通じた政界工作で生き延びた。

 再発防止には教団との「蜜月関係」の経緯解明が欠かせない。昨年末には、選挙応援の実態を記した内部文書の存在が韓国メディア報道などで浮上した。政治の自浄力発揮が強く求められている。