28日午後4時27分ごろ、熊本県でマグニチュード(M)7・1の地震が起きた。同県宇城市と氷川町で最大震度7が観測され、多数の死傷者が出ている。嘉島町の大型商業施設「イオンモール熊本」では爆発があり、2階部分が崩落した。他の自治体でも建物倒壊や火災などが発生し、懸命の救出作業が続く。熊本県内ではその後も震度5弱などの地震が相次いでおり、最大限の警戒を続ける必要がある。
国内で震度7の地震を観測したのは、2024年1月の能登半島地震以来となる。有明海などに津波注意報が一時発令され、熊本地方では建物の高層階を揺らす「長周期地震動」で最も強い階級4を観測した。
熊本県では16年4月、2度にわたり最大震度7の地震が発生し、災害関連死を含め278人が亡くなった。気象庁は、今回の地震でも「今後1週間程度は震度7程度の地震が起きる可能性がある」と注意を呼びかけている。政府は自治体と連携し、被害状況の把握と被災者の救命や救助、ライフラインの迅速な復旧に全力を尽くすべきだ。
今回の地震は、陸域の浅い場所で活断層が水平方向に動く「横ずれ型」とみられる。震源付近では「日奈久(ひなぐ)断層帯」と「布田川(ふたがわ)断層帯」が近接し、多くの断層が枝分かれしている。専門家からは、16年地震の割れ残りがあり、地震活動が活発化していると指摘されていた。今後も繰り返し発生し被害が広がる恐れがある。安全を第一に行動したい。
猛暑のさなかでもあり、熱中症への対策を怠ってはならない。避難所の環境を整え、関連死を食い止めることが喫緊の課題だ。
16年の地震では、避難生活の長期化に伴う体調悪化などが原因の関連死が8割を占め、家屋倒壊など直接の被害で亡くなった人の4倍以上に達した。多くが高齢者で、既往症がある人が大半だった。能登半島地震でも直接死を大きく上回る関連死が認定された。停電や断水で暑熱対策が難しい場合は、冷房が使える避難場所への移動も検討してほしい。
在宅避難や車中泊への目配りも欠かせない。16年の地震では余震も頻発したことから屋内避難に不安を抱き車中泊を選んだ人も多かった。
被災者を支えるには、一人一人の状況を正確につかむことが重要である。自治体は医療機関や被災地での活動経験が豊富なNPOなどと情報を共有するなどして、円滑な支援に役立ててもらいたい。
今年に入り、岩手や山梨など各地で大きな地震が続いている。「想定外」をなくし、建物の耐震化や避難方法の確認など身近な備えを積み重ねることが不可欠だ。
























