姫路市長当選が決まった瞬間の筆者=2003年4月27日、姫路市内
姫路市長当選が決まった瞬間の筆者=2003年4月27日、姫路市内

 2003年4月、私は姫路市長に就任した。姫路市は温暖な気候で、災害も少なく、地域固有の歴史、文化を有し、産業の活力も旺盛な、全国的に見ても素晴らしいまちだと思っている。それまでも国土交通省建築研究所研究員、筑波大学、立命館大学時代に全国各都市の都市計画にかかわってきた経験からも、姫路の住環境は全国でトップクラスだと感じていた。

 一方で、社会、経済情勢が大きく変わりつつある中で、姫路市の地盤沈下を感じずにはいられなかった。中心市街地では大型商業施設が撤退し、2003年度の地価公示では下落率が25・4%と、商業地では全国最大の下落率となっていた。一方、臨海部では大手石油会社の製油所が閉鎖されるなど、姫路市を取り巻く状況は厳しさを増すばかりであった。