長田マンスリー

六間道商店街3丁目アーケード 18年度中に撤去へ 神戸・長田

2018/11/26 15:00

 道幅が6間(約10・8メートル)あるところから、その名が付いたともいわれる神戸市長田区の六間道(ろっけんみち)商店街。その3丁目のアーケードが2018年度中に撤去される。設置から60年近く経過して劣化が進み、昨年秋の台風で天井が欠落した。会員減少に悩む商店会が「維持は困難」と撤去を決めた。商店会自体の解散は考えておらず、関係者は「今後は新しい商店街の在り方を模索したい」と話す。(上杉順子)

 アーケードは1960年に設置。当時は道幅が10メートル以上あるのに肩がぶつかり合うほどの活気があったという。95年の阪神・淡路大震災ではアーケードに大きな被害はなかったが、現在は空き店舗や、取り壊した後に建ったマンションが目立つ。3丁目の商店会「友和会」の会員は15人。高齢で既に店を閉めた人もおり、商いをしている人はさらに少ない。電気店を営む岸秀一会長(62)は「アーケードの維持には電気代などで年間100万円以上かかる」と厳しい表情だ。

 昨年10月21日の台風21号で、アーケードの天井板が複数箇所ではがれ落ちた。応急処置として中央部の板を撤去し、空が見える状態が1年以上続いている。上部の骨組みもさび付きがひどいという。今春から、まちづくり会社「神戸ながたTMO」や神戸市と、電線や電話線の撤去について協議を重ねてきた。

 アーケードの解体費約2400万円は県や市の補助金を活用しつつ、商店会が約1千万円を負担する。岸会長は「今は撤去の段取りで精いっぱい」と嘆きつつ、「(アーケードに付随していた)照明がなくなり街が真っ暗になるのは良くない。3丁目の表記が入った街路灯を取り付けるなどしたい」と、街の新たな形も模索している。

 中小企業庁が3年に1度実施する、全国の商店街実態調査の最新版(2015年度、有効回答3240件)によると、空き店舗が「増えた」と回答した商店街は31・9%。アーケードの撤去については、既に実施した商店街は5・2%、取り組み中は0・4%、検討中が2・4%となっている。

続きを見る

あわせて読みたい

長田マンスリー

もっと見る 長田マンスリー 一覧へ

特集