お酒を飲んだら、どれくらい車を運転するのを避けたほうがよいでしょうか ※画像はイメージです(sumire8/stock.adobe.com)
お酒を飲んだら、どれくらい車を運転するのを避けたほうがよいでしょうか ※画像はイメージです(sumire8/stock.adobe.com)

あけましておめでとうございます。新しい1年が始まりました。お正月は新年会などでお酒を飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか。飲酒をしての自動車の運転は厳禁ですが、飲酒してからどのくらいの時間があけば運転できるようになるのでしょうか。アルコールの分解時間の目安と計算方法について解説します。

■ビール500mlで5時間が目安

アルコールの分解時間は、「アルコール4gあたり1時間」と計算すれば、検知器で検出される可能性がほとんどないと言われています(出典:国土交通省「飲酒に関する基礎教育資料」より)。この基準をもとに計算した分解時間の目安は、以下の通りです。

【ビール】アルコール度数:5%
・1缶350ml 分解時間の目安:3時間半
・ロング缶500ml 分解時間の目安:5時間

【缶酎ハイ】アルコール度数:7%
・1缶350ml 分解時間の目安:5時間

【ワイン】アルコール度数:12%
・小グラス1杯100ml 分解時間の目安:2時間半

【日本酒】アルコール度数:15%
・1合180ml 分解時間の目安:5時間半

【焼酎コップ】アルコール度数:25%
・コップ1杯200ml 分解時間の目安:10時間

【ウィスキー】アルコール度数:40%
・ダブル1杯60ml 分解時間の目安:5時間

▽ただし分解能力は個人差が大きい

アルコールの分解能力は、以下の要素によって個々で異なります。おおむね以下のような傾向が見られます。中にはアルコール4gを1時間で分解できない人もいるので、上の表の数値も、あくまで目安と考えましょう。

・性別(女性の方が低い)
・年齢(年齢に従って低下)
・体重(軽いほど低い)
・体質(遺伝による影響大)
・体調(疲労等で低下)

▽「翌朝なら大丈夫」という訳ではない

「一晩寝れば大丈夫」という考えも禁物です。睡眠中はアルコールの分解速度が遅くなります。そのため目安時間を過ぎて朝になっても、アルコールが抜けているとは限りません。

またアルコールの分解時間は飲酒量に比例して長くなります。例えばビールのロング缶(500ml)を3本飲んだ場合、分解には半日以上かかると考えましょう。

■アルコールの分解時間の計算方法

アルコールのおおよその分解時間の計算手順は、以下の通りです。

・純アルコール量を算出
・分解時間(目安)を算出

▽1.純アルコール量を算出

まず、飲酒量とお酒の度数から純アルコール量を算出します。計算式は以下の通りです。

・純アルコール量(g)=飲酒量(ml)☓アルコール度数(%)☓0.8(※)
(※)の0.8はアルコール比重

例えばビール500ml(アルコール度数5%)を飲んだ場合、計算式は500×5/100×0.8=20gとなります。

▽2.分解時間(目安)を算出

次に、純アルコール量をもとに大よその分解時間を算出します。ここでは国土交通省が提示する「アルコール4gあたり1時間」をもとにした計算式をご紹介します。

・分解時間(h)=純アルコール量(g)÷4

例えばビール500mlを飲んだ場合は、上記で計算した純アルコール量から、20g÷4=5時間となります。

上記の計算式以外に、分解能力を「体重×0.1g」として計算する方法もあります。しかしアルコール分解能力が個々で異なる以上、どの基準が正しいとは言えません。飲酒運転を避けるために、分解時間は長めに見積もることをお勧めします。

■飲酒運転による罰則と行政処分

飲酒運転には、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」という2種類の違反があります。

・酒気帯び運転…呼気中のアルコール量が0.15mg/L以上の状態で運転
・酒酔い運転…呼気中のアルコール量に関係なく、飲酒で正常な運転ができない状態で運転

▽酒気帯び運転の場合

酒気帯び運転をした場合、罰則としては3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。また行政処分の内容は、呼気中に含まれるアルコール量によって異なります。

・呼気中アルコール量(mg/L)が0.15以上0.25未満
違反点数:13点 罰則:90日間の免停

・呼気中アルコール量(mg/L)が0.25以上
違反点数:25点 罰則:免許取消し(欠格期間2年)

▽酒酔い運転の場合

酒酔い運転では、罰則として5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。また行政処分では違反点数35点で免許取消し(欠格期間3年)となります。

なお違反の前歴がある場合は、酒気帯び運転、酒酔い運転ともに行政処分の内容がさらに重くなります。

▽同乗者なども罰則の対象

飲酒運転では、ドライバー本人だけでなく酒類の提供者・車両の提供者・同乗者も罰則の対象です。例えば同乗者の場合、罰則は以下の通りです。

酒気帯び運転…2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
酒酔い運転…3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

■アルコールを早く抜く方法は?

アルコールの分解時間を早める方法はありません。ただしアルコールの分解には水分やビタミンCが必要なので、十分に水分を摂取しましょう。吸収の良いスポーツドリンクなどを飲むのもおすすめです。 あとは肝臓がしっかり働くように、安静に過ごしてください。

▽飲酒後の運動やサウナは逆効果

アルコールを体外に排出するため、サウナや運動で発汗を促そうとする人もいます。しかしこれは逆効果です。飲酒後の体調によっては脱水症状を引き起こす場合もあるので、絶対にやめましょう。

▽飲酒運転以外にも注意が必要

運転中のスマホ操作や居眠り運転など、飲酒以外にも気をつけるべきことは数多くあります。各規則や違反による罰則について知り、気を引き締めて安全なカーライフを送りましょう。

(まいどなニュース/norico)