未婚化・晩婚化の要因として「経済的な理由」が指摘されるなか、奨学金の返済は結婚を考えている人にどのような影響を与えているのでしょうか。タメニー株式会社(東京都品川区)の結婚相談所「パートナーエージェント」が実施した「奨学金と結婚・婚活」に関する調査によると、25~29歳の8割近くが「奨学金を返済していることを、相手に伝えるのに抵抗がある」と回答したことがわかりました。では、奨学金を返済中の人に対して「経済的に不安に感じる」と答えた人はどのくらいいたのでしょうか。
調査は、同相談所で活動する25歳以上の会員男女311人を対象として、2025年5月~6月の期間にインターネットで実施されました。
その結果、同所会員の34.7%が「奨学金受給の経験あり」と回答。年代別では、25歳~29歳が28.6%で最も多くなりました。
現在奨学金を返済中の人に対し、「奨学金を返済していることを相手に伝えることに抵抗はありますか」と聞いたところ、「ある(とてもある13.9%、少しある30.6%)」と回答した人は合わせて44.5%、「まったく抵抗はない」は41.7%と、ほぼ拮抗する結果となりました。
「抵抗がある」と答えた割合を年代別で見ると、25~29歳が77.8%で最も多く、年齢が上がるにつれて抵抗感が減少する傾向が見られました。
一方、現在奨学金を返済中の人は、結婚相手としてどう見られているのでしょうか。調査の結果、「奨学金返済中の人は結婚相手として対象にならない」と答えた人はわずか8.0%にとどまりました。
年代別では、45歳以上で「対象にならない」とする割合がやや高めである一方、25~44歳では90%以上の方が「奨学金返済中でも対象になる」と回答し、若い世代ほど、奨学金制度の利用を一般的なこととして受け入れている傾向が見て取れます。
また、「奨学金の返済があることを伝えてほしいタイミング」については、「真剣交際前」(29.9%)、「2~3回目のデートで」(25.4%)などが上位となり、「伝える必要はない」と答えた人はわずか6.1%にとどまりました。
年代別に見ると、どの世代においても「2~3回目のデート」や「真剣交際前」を希望する人が50%以上を占めた一方で、50歳以上では「プロフィールで伝えてほしい」という回答が他の年代よりも多い傾向にあり、早い段階で経済的な情報を開示し合うことを重視している様子もうかがえました。
さらに、「結婚後の返済に対する考え方」について聞いたところ、42.4%の人が「自分で借りた分は自分で返すべき」と回答。年代別では、25歳~39歳では「自分で返すべき」、40歳以上では「相手と相談して決める」とする回答が増加しており、年齢とともにより柔軟な対応を志向する傾向が見られました。
最後に、「奨学金を返済中の人に対して抱く印象」を尋ねたところ、62.4%の人が「正直に伝えてくれたら信頼できる」と回答しました。
年代別で見ると、どの年代でも「正直に伝えてくれたら信頼できる」が最も多く選ばれたものの、25~29歳では「経済的に少し不安に感じる」(39.3%)」が同率で最多となったほか、30~34歳では「自分にも奨学金があるので共感できる」(25.0%)が比較的多く、35~39歳と40~44歳、50歳以上では「努力家だと思う」(27.3%、34.6%、33.3%)が多く選ばれており、若い世代ほど「経済的な不安」を感じる傾向がある一方で、年齢が上がるにつれて前向きな評価がより強く表れることが見て取れました。